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OKAYAMA REKITABI
STORY
04
#地酒
#幻の酒米
#雄町米
岡山発祥の酒米「雄町（おまち）」を知ってるかい？
雄町米のお酒はとっても美味しくて、全国的にも大人気って聞いたことあるワン！
そうだよ！ 雄町米を使って造った日本酒は人気で、「オマチスト」と呼ばれる熱狂的なファンがいるほど評価が高いんだ！
雄町米は岡山市で栽培が始まった酒米。160年以上も前に発見された、交配のない日本古来の原生種です。山田錦・五百万石・美山錦とともに、「四大酒米」に数えられており、現在の酒米の多くが雄町米との交配で誕生しています。いわば酒米のルーツです。
なんと！“酒米の王様”山田錦のルーツとは驚きじゃの！
雄町米は”杜氏泣かせの酒米”と言われ、扱いの難しい品種だけど、ゆえに出来上がった日本酒は芳醇でコクがあり、味わいがしっかりとした絶品の酒になるんだ・・・。
かつて品評会で「雄町無くして入賞できず」と言われるほど人気を博した雄町米ですが、過去には日本酒好きに渇望されながらも絶滅寸前になった歴史があります。そして、雄町米は”幻の酒米”と呼ばれるようになったのでした。
なんで幻って呼ばれるようになったのか気になるワン！！！
今回のストーリーでは、酒米「雄町」の奇跡の発見と絶滅寸前から復活するまでの歴史を紹介するよ！
ストーリーを知って飲むと、さらに美味しくなりそうじゃのぉ〜！
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雄町米の歴史は、江戸時代後期にさかのぼるんだ。歴史を紐解いてみよう！
雄町米は、誰が最初に見つけたんだワン？
たまたま見つけた”2本の変わった稲”が・・・
雄町米は安政6年（1859年）、岡山市中区雄町の農家・岸本甚造（きしもと じんぞう）によって発見されました。甚造は現在の鳥取県にある大山参拝の帰り道、ふと足元を見ると、田んぼからあぜ道に覆いかぶさるように頭を垂れた、重そうな稲を発見。「これは変わった稲だ」と2本の稲を家に持ち帰り、栽培したことがきっかけでした。
僕なら見逃してたかもしれないワン・・・！
甚造が栽培していた当初は、最初に持ち帰った2本の稲にちなんで「二本草」と呼ばれてたんだけど、「岡山の雄町に良い米がある！」とうわさが広がり、いつしか栽培地にちなんで「雄町」と呼ばれるようになったんだ！
その美味しさは人々を魅了…。雄町米の栽培は一気に拡大！
雄町米は岡山県下全域に普及するだけでなく、他県にも広がっていきました。そして明治41年（1908年）、雄町米は奨励品種制度によって岡山県の奨励品種になったのです。これをきっかけに雄町米の栽培はさらに拡大。大正時代には岡山県で約9000ヘクタールにまで作付面積が増えました。
なんと、東京ドーム1900個分くらいの広さ！最初は二本の稲じゃったのにすごいのぉ〜。
昭和初期には「清酒品評会で上位になるには、雄町でつくった吟醸酒でないと入賞困難」といわれるほど、雄町米の人気が高まったんだ！
それだけたくさんの人を魅了する雄町米の酒がどんな味なのか気になるワン・・・！
美味しさの秘密① やわらかくコクがあり、芳醇な味わい
酒造りに適した米は、「心白（しんぱく）」と呼ばれる米の中心にある白いデンプン質が大きく、吸水性や消化性に優れていることが大切です。雄町米はほかの品種より、心白が大きく球状なのが特徴。やわらかな米はもろみの中で溶けやすく、濃醇な味の酒が期待できます。
だから、雄町米の酒は「まろやか」「ふくよか」「幅のある」と言われてオマチストたちに強く支持されるんじゃのぉ〜！
美味しさの秘密② 造り手の力量が試される、”味わいの幅”
“杜氏泣かせの米”ってどういうことだワン？
米がやわらかくて心白が大きいって話をしたと思うけど、実は製造過程では柔らかいゆえに割れやすかったり、溶けてしまって発酵管理が難しいんだ・・・！
多くの造り手から「扱いが難しい品種」といわれるように、絶妙なさじ加減で味が変わってしまう雄町米。しかし、裏を返すとそれだけ味わいに幅があり、造り手のセンスや技術によって多様な味わいが楽しめるのも雄町米の魅力です。
オマチストたちは味わいの多様性も楽しみの一つなんじゃろな〜。
美味しくてどんどん広まった雄町米は、なんで幻になってしまったんだワン？
太平洋戦争が始まると、雄町米を取り巻く状況は一変。戦時中は食糧増産のため、うるち米の栽培が優先されたのです。
食糧難の戦時中、酒米をつくっている場合ではなかったんじゃな・・・。
戦後も雄町米の栽培は減少が続き、約9000ヘクタールあった作付面積はついに約3ヘクタールまで落ち込みました。そして、雄町米は「幻の酒米」と呼ばれるようになってしまうのです。
たった3ヘクタールに・・・。 これは絶滅の危機だワン！
これは一刻も早く増やさんとなあ・・・。
戦後も作付面積が回復しなかったのは、雄町米は”栽培しにくい”という特徴をもっていたからです。
雄町米が栽培しにくいのは、なぜなんじゃ？
雄町米が栽培しにくい理由は色々あるんだけど、大きく3つあるんだ。
「幻の酒米」栽培の難しさ①背が高く、倒れやすい
コシヒカリのような食用米の稲の背丈は110cm前後ですが、雄町米の稲は背が高く、大きなものは160cm以上に育ちます。穂も長いので、自重で自然と倒れてしまうのです。しかも雄町米は背が高いため、コンバインの歯に稲が巻き込まれて、作業が中断したりすることも・・・。
背の高い稲に重たい穂がずっしりと垂れ下がるから、ほかの品種よりも倒れやすいんだ。
台風が来たら一発でアウトだワン・・・！
「幻の酒米」栽培の難しさ② 原生種であるため、病気や害虫に弱い
「原生種」っていうのはなんじゃ？
古くから品種改良されることなく栽培されている品種を原生種というんだ。だから病気や害虫に弱いんだよ。
僕なら挫折してしまいそうだワン・・・。
ちなみに現存する酒米の多くは雄町米の血統が引き継がれていて、特に山田錦や五百万石といった人気の酒米のルーツでもあるんだよ！
有名な酒米のルーツが雄町米にあったとは知らんかった！
「幻の酒米」栽培の難しさ③天候の影響を受けやすい
雨風によって倒れてしまうのはもちろん、上質な雄町米を栽培するためには、長い日照時間、温暖な気候、豊富な水などの条件が欠かせません。そのため、栽培する土地を選ぶ必要もあり、どこでも育てられるわけではないのです。
実は雄町米の約95%が岡山県で栽培されてるんだ。その理由は岡山県が発祥地ということだけでなく、岡山県の気候風土が雄町の栽培に適しているからなんだよ！
さすが、晴れの国岡山じゃ！岡山三大河川もあるから水も豊富じゃしのぉ〜。
こういった栽培の難しさの背景があり、岡山県外では雄町米の生産量は減少し、岡山の中でも造り手が減ってしまいました。全国の日本酒愛好家から渇望されながらも、入手困難な雄町米は”幻の酒米”と呼ばれるようになったのです。
本当にこだわりを持った農家さんじゃないとできんのぉ。
雄町米を守り続けた農家さんは本当にかっこいいワン・・・！
わずか3ヘクタールにまで落ち込んだ雄町米。しかし、昭和40年代後半になると、「良い米で美味しい酒を」と決心した赤磐の利守酒造四代目・利守忠義（としもり ただよし）が、絶滅寸前の雄町米が復興へ乗り出したのです。
とはいえ、雄町米の栽培はそう簡単には始められんかったじゃろうな・・・。
なんと、農家を一軒ずつ訪ねて雄町米について語り、栽培を依頼したり、地元農協、町役場まで説得を続けていったそうだよ。そして、少しずつ志に賛同する人々が集まりだしたんだ！
そこまでして雄町米を守る想いに感動だワン・・・！
そして、利守酒造が農家に所得保証をするなどのリスクを背負うことで、赤磐市軽部産・雄町米の栽培が始まったのです。その後、良質米推進協議会を発足し、酒蔵と農家、農協、農業試験場、行政が一体となって雄町米の栽培を推進し、無事に復興の道筋をつけることが出来ました。
地域協働の雄町米づくりで高島地区は”聖地”に
今でも高島地区では地域が一体となって雄町米を作り続けとるんかのぉ？
地域協働で変わらずつくり続けていて、高島地区はオマチストから”聖地”と呼ばれているよ！
雄町米の発祥の地”雄町”がある高島地区では、一度は雄町米の栽培が途絶えてしまいました。しかし昭和50年代から高島地区の有志によって雄町米栽培が復活し、高島地区でつくられた雄町米は「高島雄町」と呼ばれています。
高島雄町で醸した日本酒も飲んでみたいのぉ〜。
高島雄町の品質を管理しているのが高島ライスセンターです。高島地区の雄町米の栽培に使う肥料をすべて統一し、品質を均一化。さらには一切火力を使わない乾燥方法でゆっくり時間をかけて乾燥させることで、雄町米のヒビ割れや劣化を防ぎ、美味しいお酒を造ることができるようになります。
乾燥には2・3日かかることもあるそうじゃ〜手間がかかっとるの〜
ここまで大きなライスセンターで雄町米の乾燥調製をしているのは高島地区だけなんだ！！
さらに！ライスセンターを管理する岡山市農業協同組合の方が中心となって、定期的に雄町米の農家さんとともに県内外の蔵元さんのところへ挨拶に行き、コミュニケーションの場をつくっているそうだよ！
農家さんが自分で作ったお米のお酒を造ってくれている蔵元さんと意見交換をすることで、信頼感とモチベーションの維持に繋がり、より雄町米が繁栄発展していくための大切な時間となっています。
自分たちの作ったお米を必要としている人と交流できて、出来上がったお酒も飲めるって、すごく嬉しいことだワン〜！！
難しい雄町米栽培じゃけど、また来年も頑張ろうという意気込みに繋がるんじゃな〜
ちなみに、高島ライスセンターの周りには広大な雄町米の田んぼがあって、秋頃の収穫の時期にはたくさんの穂をつけた雄町米を眺められるよ！
お散歩コースに良さそうだワン！！！
高島地区は旭川から取水した用水が流れ、水が豊富な地域。日本に岡山県と琵琶湖・淀川水系の2カ所にしか生息していないという魚・アユモドキが住み、夏にはホタルが飛ぶほど水質がきれいです。また高島地区には、名水百選にも選ばれた「雄町の冷泉」もあります。
このように高島地区は、良質な水に恵まれているのです。
高島地区の水は良質だから、そこで育った雄町米も良質で美味しいんだね。
お散歩中に寄って飲みたいワン！
せっかくなら、聖地巡礼をして高島地区の雄町米を使った日本酒を飲んでみたいのぉ。
それなら、すごくいいところがあるよ・・・。高島地区で唯一の酒蔵・宮下酒造が手がける観光酒蔵「独歩館」で高島雄町の飲み比べができるんだ！
独歩館では、雄町米を使った酒の飲み比べをしながら、酒蔵ならではの、お酒に合う地元食材を使った料理も堪能できます。
さらには、雄町米のお酒や地酒を多数取り揃えたショップや、雄町米が使われているビールの工場見学までできるので、オマチスト必見のスポットです！
聖地で雄町米の酒を堪能して、サル山のみんなにお土産も買うぞぉ〜！
僕もお供するワン！！！
江戸時代後期に発見された二つの稲は、地元の人たちに大切に育てられて、絶大な人気を誇る酒米「雄町」として今もなお熱狂的なファンに愛されています。芳醇な香りと豊かなうまみを堪能しながら雄町米の歴史を感じてみるのはいかがでしょうか？
まだ雄町米のお酒を飲んだことがない人も、ぜひ「オマチスト」デビューをしてみてね！
今すぐ飲みにいくぞぉ〜！
ワンワン！！！
※レキタビのストーリーは一定の調査を行い、大きく史実と乖離するような表現は避けておりますが、あくまで歴史と旅を楽しむための材料としてお楽しみいただけるようなコンテンツを目指して記事作成を行っています。掲載されている記事は諸説あるものもあります。
岡山県の酒米生産者と酒蔵が“幻の酒米”「雄町」を原料にした日本酒をより多くの人に知ってもらいたいという思いで、JA全農と一致団結し、毎年「雄町サミット」というイベントを開催。雄町米を使った日本酒が全国各地の蔵元から集まり、「唎き酒会」が行われます。雄町米を使った美味しい日本酒が全国各地の蔵元から集まる会として好評を得ており、これまでに13回も開催されています。
雄町米ファンのオマチストにとって、農家さんと触れ合うことができる貴重な機会。農家さんはオマチストの方から質問責めに合うことも。農家さんにとってはファンの方の声を聞くことで来年も頑張ろうというモチベーションに繋がる大切な場となっています。
宮下酒造では日本酒以外にも雄町を使った商品も製造している。では宮下酒造が製造する、雄町米を使った日本酒以外の酒類とは？
ビール
ウォッカ
START
東岡山駅
徒歩：約2分、150m → 東岡山駅前バス停 → 東岡山線四御神車庫：約3分（6駅） → 四御神南(東岡山)バス停 → 徒歩：約15分、1.2km
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約14分（1.2km）
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約3分（280m）
ー
約4分（350m）
徒歩：約2分、120m → 雄町中バス停 → 東岡山線表町BC（高島団地・岡山駅前経由）：約9分（13駅） → 岡山ハートクリニック前バス停 → 徒歩：約5分、400m
徒歩：約16分、1.2km → 高島駅：約2分（途中停車駅なし） → 西川原・就実駅 → 徒歩：約3分、240m
約45分（3.6km）
GOAL
黒い外観の天守が特徴的で、別名『烏城(うじょう)』とも呼ばれています。城跡を含む烏城公園は日本の歴史公園100選にも選ばれており、2022年11月3日に天守のリニューアルオープンしました。 1620年頃に建てられて、唯一現存している月見櫓は国の重要文化財にも指定されており、見どころのひとつです。
岡山藩主の池田綱政が津田永忠に命じて造らせたもので、日本三名園のひとつとして有名な庭園です。綺麗に整備された芝と、四季折々の草花たちが散策を楽しませてくれます。夜に期間限定で園内をライトアップする『幻想庭園』が開催されており、多くの人に親しまれています。美しい日本の風景が日常に少し疲れた心を癒してくれること間違いなし。
その昔、岡山城の前身とされる『石山城』があった場所にある公園。旭川と岡山城を楽しめる自然豊かな場所で、市民の憩いの場となっています。地域のオープンスペースとして、大小様々なイベントが開催されています。期間限定でカフェもオープンしており、観光ついでに散策するのにぴったりの場所です。現在はホットサンド店「PUBLIC SAND」が出店しています。
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「晴れの国」岡山は、特産品として様々なフルーツを作っています。「フルーツパフェの街おかやま」では、一年を通して、岡山県産のフルーツを使用したパフェを楽しめます。
岡山といえば、名産品「桃」と、「桃太郎」。桃を使ったチャツネを隠し味にした「岡山カレー」が誕生しました。ぜひ岡山市内の参画店舗で食べ比べてみてください。
グリーンシャワーの名前のとおり、気持ちのいい木漏れ日の中を散策できるハイキングコースです。山上はとても見はらしがよく、岡山市街を一望できます。
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岡山城や後楽園の周囲を流れる旭川は、春になると一面に桜の花が咲き乱れます。夜には綺麗にライトアップされて、幻想的な夜桜が楽しめますよ。
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製造は別の工場となっております。工場から来たものをすぐに販売しているため、温かい商品となります。マスキングテープやエコバッグなどのグッズも購入できますよ。
今日の岡山が発展したのは岡山に目をつけた宇喜多直家公のおかげ！？
岡山城下町が最先端と言われる秘密。
あの有名な”本能寺の変”の裏で非業の死を遂げた武将。
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昔の岡山は大半が海!?日本一の”干拓王国”岡山県が現在の形になるまで。
大名庭園が残る町並み保存地区。豊臣秀吉とねねとも繋がりのある足守藩。岡山城主との親子の絆も？
宮下酒造では、雄町を使ったビール「独歩 雄町米ラガービール」を製造している。吟醸酒と同じく、精米歩合を60％まで磨いた雄町を副原料として使用している。